蓄電池

蓄電池とは

RECHARGEABLE BATTERY

蓄電池とは、名の通り「電力を蓄えておける電池」です。蓄電池はその性質上、企業や家庭で多くの役割を果たすことができます。ここではリチウムイオン電池の蓄電池についてご紹介します。またそのリチウムイオン電池で現在広がりつつあるのが、お手頃な価格になってきた家庭用蓄電池とポータブル蓄電池です。蓄電池の持つ役割や蓄電池の種類、現在のニーズについて説明します。

蓄電池の役割

蓄電池には、大きく分けて
「電力供給の安定化」「災害時のバックアップ電源」「節電」
という3つの役割
があります。

01

電力供給の
安定化

02

災害時の
バックアップ
電源

03

節電

電気は発電所で作られるものですが、考えなしにどんどん作られるわけではありません。発電所で作られた電気は蓄えることができません。作った電気を巨大な蓄電池に蓄えようとしても、コストが膨大になってしまうからです。そのため、予測される電気の使用量に合わせて発電されています。

小規模な蓄電池を用意すれば、電気を蓄えておくことができるようになります。こうすると、トラブル発生時の電力供給を安定させることができます。例えば企業などにあるサーバーが良い例です。社内システムや外部に公開しているサーバーの電源が落ちてしまったときも、システムダウンを防ぐことができます。
同様に、災害時にはバックアップ電源としても役立ちます。東日本大震災のときには、震源地から関東地方に至るまで計画停電が行われた地域が多くあります。このようなときでも蓄電池を用意していれば、停電復旧まで蓄電池の電力が持つ間は電源が必要な機器を止めずにすみます。特に飲食店などの冷凍庫や冷蔵庫の電源確保に大きな力を発揮するでしょう。さらに、普段から蓄電池に蓄えた電気を使うことで節電効果が期待できます。蓄電池は特にこの効果を期待できます。
太陽光発電で作り出した電力の買い取りが現在行われていますが、太陽光発電と組み合わせて電力を蓄えることで、節電の効果がさらに大きくなるわけです。今後電力の買い取りが終了したとしてもずっと節電効果は続きます。

このように蓄電池には多くの役割があり、蓄電池の需要はさらに大きく広がっていくと考えられます。

蓄電池の種類

蓄電池には多くの種類があります。スマートフォンに使われるリチウムイオン電池も蓄電池ですし、電気自動車やハイブリッド自動車に使われているのも蓄電池です。容量が大きい産業用蓄電池はまだまだ高価なため、導入が広がってきたリーズナブルな「家庭用蓄電池」「ポータブル式蓄電池」について、ここでは紹介します。

家庭用蓄電池とは?

家庭用蓄電池は主に据え置き型の蓄電池で、単に容量の大きさから「家庭用」と呼んでいます。一般的には、容量6kWh~10kWh未満が主流で、太陽光発電とセットで戸建て住宅に設置されることが多くあります。その理由は、太陽光発電と蓄電池の相性の良さにあります。

太陽光発電は、当然ある程度以上の日照がないと発電ができません。梅雨の時期などは長期間発電ができない、ということもあるでしょう。そんなときに、蓄電池に蓄えた電気を使って家庭の電力をまかなえば、発電ができなくても引き続き節電の効果が期待できます。そして災害時や落雷時のバックアップ電源としても使うことができ、電力供給の安定化にもつながります。

家庭用蓄電池は、一般家庭の住宅だけではなく、ドラッグストアやコンビニなどでも家庭用蓄電池が使われています。

産業用蓄電池との区別は、消防法の規制対象になるかどうかでされています。リチウム電池は、1台あたりの容量が17.76kWh以上となると消防法の規制対象となるため、17.76kWh以上の蓄電池は産業用蓄電池になります。

ポータブル式蓄電池とは?

ポータブル式蓄電池は据え置き型のものほどの容量は蓄えられませんが、設置工事が不要で必要な場所に移動して使うことができるものです。基本的には太陽光発電などとの連携はしない、独立して使用する蓄電池です。
設置工事が不要で移動できる、という性質上、マンションの共用部や老人保健施設、市役所などの公共施設で使用されます。必要なときに、必要な場所で蓄えた電気を使用できるというのが大きなメリットです。

蓄電池のニーズの高まり

蓄電池は近年いろいろな場所で活躍しており、ニーズが非常に高まってきています。まず、ここ数年で大きく普及した太陽光発電が理由のひとつです。
「家庭用蓄電池とは?」で述べたとおり太陽光発電は蓄電池と非常に相性が良く、発電した電気を蓄えておく蓄電は必要不可欠といっても過言ではありません。さらに、2009年に始まった余剰電力買取制度、いわゆる売電施策が普及したことも背景にあります。発電して家庭で使い、余った電気を電力会社に買い取ってもらうことで金銭的なメリットが出てきたからです。

太陽光2019年問題と蓄電池設置の関係

  • 2009年固定電力買取開始
    電力の買取価格
    48円/kWh
  • 2019年固定電力買取満了後
    電力の買取価格
    11円/kWh

2009年に太陽光を設置した方は、
売電収入が4分の1以下に減少。

太陽光2019年問題というのを聞いたことがあるでしょうか。売電施策による固定電力買取価格は、10年間固定になっています。最初に固定電力買取が始まったのが2009年で、2019年に初めて固定電力の固定価格での電力買取が満了しました。このときに買取価格が下がった件数が56万件にのぼります。2009年当初、電力の買取価格は48円/kWhでした。固定買取満了後は、24円/kWhを目安とすると経産省が公表していましたが、2016年には満了後は11円/kWhを目安とする、と経産省が発表しました。
2009年に太陽光を設置した方は、売電収入が4分の1以下になってしまいます。この金額ダウンの大きさと件数の多さから、太陽光2019年問題と呼ばれています。

この問題の解決にも、蓄電池が役立ちます。太陽光で発電した電気の売値が大幅に下がるのなら、売っていた分の電気を蓄電池にため、自分で消費すればいいわけです。利益をあげるのではなく、支払う電気料金を下げる、ということです。

これが大きな効果を発揮するのはコンビニやドラッグストアなどの小規模商業施設です。コンビニであれば24時間ずっと電気がついているので、家庭よりも消費電力は多くなります。しかし、大きな商業施設ほどには消費しません。つまり蓄電池に電気を蓄えて自分で使うと、大きな商業施設に比べて相対的に効果が高くなります。コンビニやドラッグストアの屋根に太陽光発電を設置しているという場合には、蓄電池を設置することで2019年問題の軽減につながります。

また、2016年以降に太陽光発電を設置したのであれば2019年問題は関係ありませんが、蓄電池を設置して蓄えた電気を利用することで大きく電気代節約に繋がることは言うまでもありません。太陽光発電があって蓄電池を設置していないという方は、ぜひ検討してみてください。

蓄電池の重要性

IMPORTANCE

近年、BCPを準備しておくという考え方が広がっています。BCPとは「事業継続計画」のことで、自然災害や火災、テロ攻撃など緊急事態の発生時に「事業の継続」「停止した事業の迅速な復旧」ができるようにする、ということを目的としています。

言うまでもなく全ての機械やパソコン、システムは電源を必要とします。そのため、緊急事態が発生したときも電源を確保しておかなければ、BCPは成り立ちません。BCPを周到に準備しておくためには、蓄電池が非常に重要となります。

「蓄電池の役割」で述べたとおり、蓄電池には電力供給を安定させる効果があります。また、災害発生時などに電力供給力が落ちたとき、不足部分に蓄電池に蓄えた電気を使用することで、電力需要・供給の負荷に対する平準化ができます。電源は通常、ひとつの企業内で複数の系統を取っていると思います。しかし災害時にはどの電源が落ちてしまうかわかりません。蓄電池を設置しておけば分散電源が促進され、災害時の電源確保にもつながります。

またどうしても止めることができないシステムなどのバックアップ電源や、緊急電源としての役割を蓄電池に持たせることもできます。このように蓄電池の存在は、BCPにとって非常に重要な役割を持たせることができるものです。

蓄電池導入の流れ

FLOW

  • 01現地調査

    蓄電池導入は、まず現地調査を行うことから始まります。どこにどれだけの数を設置するのか、また設置面の耐久力や排熱が可能かどうか、配線の取り回しや配線経路の確認が実施され、施工業者も立ち会って検討をします。

  • 02設置プランの立案・
    光熱費の変化のシミュレーション

    現地調査の結果をもとに、設置プランの立案と光熱費がどのように変化するのかのシミュレーションを行います。導入を行う企業や事業者にとってメリットが最大限になるように検討し、プラン提案とシミュレーション結果の提示をします。

  • 03工事期間の打ち合わせ・設置施工

    プランとシミュレーションの結果が問題なければ工事日と工事期間の打ち合わせを行い、実際の設置施工に入ります。屋外に設置する場合は基礎工事なども行う関係で、天候によっては工事日程に変動があることもあります。

  • 04配線工事、蓄電池の設定(工事完了)

    設置施工が終わったら配線工事、蓄電池の設定を経て工事は終了し、本格稼働に入っていきます。蓄電池には様々な部品が使われており、定期的な保守点検が必要です。また蓄電池自体にも寿命があるため、一定の期間ごとに交換工事が必要となります。

蓄電池の補助金情報

SUBSIDY

蓄電池の設置には国や自治体から補助金が出る場合があります。国からの補助金としては、「VPP構築実証事業に対する補助金」が支給されます。VPPとは仮想発電所のことです。工場や事業所が持つエネルギー設備(蓄電池や発電設備、EVなど)を高度なエネルギーマネジメント技術によって統合制御し、ひとつの発電所のように機能させて活用する事業がVPP事業です。蓄電池を使った蓄電システムはこの事業のうちのリソース導入促進事業にあたり、補助金額は公表されていませんが最大でかかった経費の2分の1が支給されます。
自治体が支給する補助金としては、東京都の「自家消費プラン事業」があります。こちらは都内の住宅に蓄電池システムを設置すると、蓄電池システムの2分の1が補助金となり、上限1kWhあたり10万円を乗じた額または60万円となります。
蓄電池導入は、どうしても経費がある程度かかるものです。紹介した補助金以外にも自治体によって様々な補助金制度がありますので、ぜひ調べてみてください。

蓄電池の導入実績

PERFORMANCE

エスコでは今までに多くの省エネ設備更新工事を実施してまいりました。ポータブル蓄電池をマンション管理組合に導入した実績もあります。
マンション管理組合様では、ポータブル蓄電池を設置することで、停電の発生→接続回路が継続通電→携帯電話充電スポット化、という運用が可能になりました。エントランスの一部照明が活きるように設置したことで、暗くても携帯の充電もできるようになり大変喜んで頂きました。

まとめ

SUMMARY

蓄電池は家庭用、産業用ともに多くの役割を持っています。また、蓄電池は価格の下落やBCPの広がり、補助金制度の整備など、今までよりも導入しやすくなりました。特に日本では地震が多く、また近年は集中豪雨などの自然災害も目立つようになってきており、蓄電池の需要はさらに拡大することが予想されます。蓄電池の導入を検討される場合は、エスコにご相談ください。

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