2020.08.03

蛍光灯・白熱電球をLEDに変えるとどれだけ電気代は抑えられるの?

 

照明を省エネ化として照明器具をLEDに置き換える場合、どの程度の効果があるのかが気になります。また、LEDに交換するといってもその交換のしかたはさまざまです。この記事では蛍光灯や電球型蛍光灯、LED照明の構造や電気代、代表的なLED照明の交換方法などについてご紹介します。

01.蛍光灯をLED照明に変えた場合

ここでは蛍光灯をLED照明に交換した場合についてご紹介します。

01.1蛍光灯の基本的な構造

蛍光灯の構造は意外に複雑で、ガラス管部分のほか、グローランプ、安定器などから構成されています。細長いガラス管の内側には蛍光物質が塗られ、内部には水銀蒸気が封入されています。

蛍光管に電気が流れると内部で紫外線が作られます。この紫外線がガラス内部の蛍光物質と衝突すると、明るさとして感じられる可視光線に変換されるのです。

蛍光灯の寿命は6,000~12,000時間と言われ、1日6時間使用した場合は約3年~5年です。

01.2蛍光灯をLED照明した場合に削減できる消費電力

蛍光灯40Wの明るさに相当するLED照明が13.6Wの場合、以下のような計算ができ、約66%の消費電力が削減できます。

(40W-13.6W)÷40W×100=66%

01.3蛍光灯をLED照明に変更した場合に削減できる電気料金

蛍光灯、LEDそれぞれの電気代は以下のように試算できます。


試算条件

  電球型蛍光灯 LED電球
消費電力 10W(=0.01kW) 7W(=0.007kW)
寿命 6,000時間 40,000時間
電球代 1,000円 2,000円
10年間の使用時間 20,000時間(1日約6時間使用)
1kWhあたりの電力量料金 27円/kWh


計算式

  電球型蛍光灯 LED電球
10年間の電球交換回数 20,000時間÷6,000時間=3.333…
→3回
20,000時間÷40,000時間=0.5
→0回
10年間の電球交換費用 3回×1,000円=3,000円 0回×2,000円=0円
10年間の電気代

電気代 =消費電力(kW)×10年間の使用時間(h)×1kWhあたりの電力量料金
0.01kW×20,000時間×27円/kWh=5,400円 0.007kW×20,000時間×27円/kWh=3,780円
10年間のランニングコスト 3,000円+5,400円=8,400円 0円+3,780円=3,780円


10年間使用し続けた場合にかかる電気代は、以下のとおりです。
電球型蛍光灯:5,400円
LED電球:3,780円

また、10年間のランニングコストはそれぞれ8,400円、3,780円で、10年間で4,620円の差があります。

02.白熱電球をLED照明に変えた場合

ここでは白熱電球をLED照明に交換した場合についてご紹介します。

02.1白熱電球の基本的な構造

白熱灯は、高温でも溶けにくいタングステンなどの金属を電気的に熱して光らせています。
寿命は1,000〜2,000時間ほどで、1日あたり6時間点灯した場合の寿命は約半年~1年です。例えば「LW100V54W」という白熱電球の場合、消費電力は54W(ワット)、電圧は100V(ボルト)だとわかります。

02.2白熱電球をLED照明に更新した場合に削減できる消費電力

白熱電球54W、LED電球7Wの場合、以下のような計算ができ、約87%の消費電力が削減できます。

(54W-7W)÷54W×100=87%

02.3白熱電球をLED照明に変更した場合に削減できる電気料金

白熱電球、LEDそれぞれの電気代は以下のように試算できます。


試算条件

  白熱電球 LED電球
消費電力 54W(=0.054kW) 7W(=0.007kW)
寿命 1,000時間 40,000時間
電球代 100円 2,000円
1kWhあたりの電力量料金 27円/kWh


計算式

  白熱電球 LED電球
10年間の電球交換回数 20,000時間÷1,000時間=20
→20回
20,000時間÷40,000時間=0.5
→0回
10年間の電球交換費用 20回×100円=2,000円 0回×2,000円=0円
10年間の電気代

電気代=消費電力(kW)×10年間の使用時間(h)×1kWhあたりの電力量料金
0.054kW×20,000時間×27円/kWh=29,160円 0.007kW×20,000時間×27円/kWh=3,780円
10年間のランニングコスト 29,160円+2,000円=31,160円 0円+3,780円=3,780円


10年間使用し続けた場合にかかる電気代は、以下のとおりです。
白熱電球:29,160円
LED電球:3,780円

また、10年間のランニングコストはそれぞれ31,160円、3,780円で、10年間で27,380円の差があります。

03.LED照明の明るさってどうなの?

LED電球は蛍光灯や白熱電球と単純に置き換えればよいというわけではありません。事前に器具の選択と配置の設計が必要です。

03.1LED照明の基本的な構造

光はさまざまな尺度で測定できます。

・照度(lx):ものに光が当たった場合における受光面の明るさ
・輝度(cd/m2):単位面積当たりの明るさ

パソコンのモニタがどのくらい明るいかを示す場合は輝度、照明を設置して各々の場所がどのくらい明るいかを示す場合は照度(ルクス)を用います。

照明は種類により明るく照らせる範囲が異なるため、照度計を用いれば照明を基準とした各場所の明るさが調べられます。

照度は電球から離れれば暗くなる傾向があります。特にLED電球の場合は、電球の垂直下方向については白熱電球・電球型蛍光灯より明るくなるものの、電球の真横方向の場合は、LED電球の照度が最も暗くなります。

また、LED照明は電気で光る半導体を使った照明で、従来の照明にもある定格光束や色温度、演色性に加え以下のような特徴があります。
・グレア:光源周辺のまぶしさ
・配光:スポット的に光らせるのか、全体を明るくするのかなど

LED照明の明るさの目安

LED照明は消費電力が少なく違いがわかりづらいため、従来の蛍光灯や白熱電球のように消費電力(W)で性能を表記せず、「W相当(ワット相当)」という考え方を用います。


白熱電球(E26口金)からLED照明に交換する場合のW相当

  20W
相当
30W
相当
40W
相当
50W
相当
60W
相当
80W
相当
100W
相当
150W
相当
200W
相当
明るさ 170lm
以上
325lm
以上
485lm
以上
640lm
以上
810lm
以上
1160lm
以上
1520lm
以上
2400lm
以上
3330lm
以上


LED照明を用いた明るさの推奨基準

日本産業規格(JIS規格)では、「推奨照度」として事務所や工場、学校など空間やその空間で行う活動ごとに、照度設定の目安となる明るさを規定しています。


住宅における推奨照度(JIS Z911:2010「照度基準」抜粋)

照度(lx) 領域、作業または活動の種類
1000 手芸・裁縫
750 子ども室・勉強室:勉強、読書
500 居間:読書
共同住宅:管理事務所
300 台所:調理台
浴室・脱衣室・化粧室:化粧
共同住宅:集会室
200 居間:団らん
子ども室・勉強室:コンピューター ゲーム
共同住宅:ロビー
共同住宅:エレベータホール
100 書斎:全般
玄関:全般
共同住宅:廊下
75 便所
50 居間:全般
20 寝室:全般
5 門・玄関、庭:通路
2 寝室・階段廊下:深夜
門・玄関、庭:防犯


03.2LED照明の設計ポイント

照明には「明るさ確保」「空間演出」などの機能があります。そのため、LED照明を設置する場合には、部屋の各場所の照度を考慮して設置台数や照明による空間演出などを検討しましょう。

一般的に照明器具の法定耐用年数は15年であり、見た目に問題がなくても機器の内部が損なわれている場合があります。JLMA(日本照明器具工業会)は10年での機器交換を推奨しているため、蛍光灯などをLED電球へ交換する際は既存設備の状態も考慮しておく必要があります。

03.3LED照明の交換方法

LED照明の交換方法はおもに3種類あります。

LED器具交換

安定器やソケット、器具内部配線など、既存の照明器具全体を取り外し新しい照明器具に交換する方法です。

器具本体がコンパクトになるデザイン性が高まる一方、電気工事士による施工が必要で、照明器具の導入費用がかかります。また、取り外した照明器具を産業廃棄物として処分しなければなりません。

・LED安定器バイパス・ランプ交換

既存の照明器具をできるだけ活かす方法で、蛍光灯を点ける際に使用している安定器に電気が流れないようにバイパス処理してLED電球を取り付ける方法です。

電気工事士による工事が必要ながら初期導入費用が抑えられます。照明器具の改造にあたるため、万一不具合があった場合でも、メーカーの補償は受けられません。

・LEDランプのみの交換

対応するLED電球と既存の照明器具に取り付ける方法です。

工事が不要で初期費用が大幅に削減できる一方、電球を取り付ける照明器具が不具合が起きれば照明は点かなくなります。PSEマーク(電気用品安全法)の適用対象外の工事であり、照明器具が耐用年数を越えている場合、発煙、発火の恐れがあります。

03.4照明設備をLED照明へ交換する際の検討ポイント

照明設備をLED照明に置き換える場合、初期投資額と維持管理にかかる費用とのバランスが重要です。

ここまでの内容をまとめると、10年間にかかる電気料金はおおよそ以下のとおりです。


  白熱電球 電球型蛍光灯 LED電球
1. 電球の実勢価格
100円
1,000円 2,100円
2. 買い替え回数 20回 3回 0回
3. 電球料金(1. × 2.) 2,000円 3,000円 0円
4. 電気料金 29,160円 5,400円 3,780円
5. ランニングコスト(3. + 4 .) 31,160円 8,400円 3,780円


電気代やランニングコストは使用状況によりかなり増減があるため、実際の電気代については個別の見積もりが必要です。

また、照明をLEDに交換する際に、工事費用や機器の入れ替え、電球代などが発生します。工事費用と10年分の電気代を合わせた額と、既存の電気設備にかかる費用とを比べると電気器具を交換する際の金額的なメリットが判断しやすくなるでしょう。

04.LED照明のメリット

LEDは以下のようなメリットがあるため、省エネや環境への配慮に大きく貢献できます。

04.1寿命が長持ち

LEDは白熱電球の約40倍、蛍光灯の約4倍の寿命があります。電気料金や電球料金はもちろん、ランプを交換する際の工数も削減可能です。天井が高い店舗やロビーのような場所では、電球交換にはしごや足場などが必要となるため、工事費用も省けます。

04.2衝撃に強い

蛍光灯はガラス、電球型蛍光灯には細い金属線が含まれていて、それぞれ何かをぶつけると電球自体が破損するリスクがあります。LEDは部品自体が小型でものがぶつかるリスクが低く、その他の構造でもポリカーボネイトなど耐久性のある素材が使われています。

04.3虫が集まりにくい

蛍光灯は、光る前段階として紫外線を使っています。虫は紫外線や赤外線が出ていると太陽の光と勘違いして集まる性質があります。LEDでも敢えて紫外線を発生させる商品がありますが、基本構造には紫外線を含みません。

04.4水銀・鉛・カドミウムを使わない

環境への配慮として定められた 水銀水俣条約により、2020年12月31日以降は水銀ランプの製造・輸出入が禁止されます。蛍光灯は製造中止の傾向が強まるため、代替電球としてLEDが注目されています。

04.5CO2削減に貢献できる

電球の消費電力が少なければ、火力発電などで使われる二酸化炭素量などが相対的に減らせます。二酸化炭素の排出抑制の動きは、SDGsの適用や省エネ法、地球温暖化防止対策などをうけて動きが加速しています。

05.LED照明のデメリット

LED照明には消費電力を抑えるなどのメリットがある一方、置き換えをする前に確認しておくべき事項があります。

05.1器具の導入コストが高い

LED電球は蛍光灯などの電球よりも高価で、照明をLEDに交換する場合は設備の入れ替えが必要などまとまった費用がかかります。設備の入れ替えを行わずに意識的に消灯に務めるなど、電気の使い方を見直すだけで電気代を削減する余地があります。

05.2熱に弱い

LED電球には半導体などの電子部品を含みます。そのため、高温多湿の場所などで長時間使用すると寿命を縮めたり、本来の性能が出なかったりします。特に40℃を越える場所、湿度の高い場所などで使用する場合はそれに対応するLED照明を使うことが重要です。

05.3場所により明度が異なる場合がある

LEDの光はレーザーポインターのように直進する性質(指向性)があります。そのため、LED照明の直下は明るく横にそれるとやや暗いという状況になりかねません。LEDは電球の形状や照明器具、LED電球の配置などに工夫する必要があります。

05.4蛍光灯や白熱電球よりも重い

発光するLED自体は小さな部品ですが、LED電球として光らせようとすると電子基板などを含むパッケージ部品が必要です。そのため、蛍光灯や白熱電球などと比べると重くなる傾向があります。

06.まとめ

LED照明は、白熱電球、電球型蛍光灯に比べると消費電力が非常に少なく電気料金も抑えられます。導入に初期費用がかかるものの、法令やエコ対応などにより今後は置き換えが進む傾向にあると考えられます。現状の設備状況、電気料金などを踏まえて置き換えが必要かを検討してみましょう。

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