2025.12.23
キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)とは?導入のメリット、導入時に必要な手続きや保守点検について徹底解説!
電力会社から一般の家庭に供給される電気の電圧はおよそ100V又は200Vです。しかし、デパートやスーパー、工場、病院など一度に大量の電力を使用する施設では、高圧受電といって6,600Vという高い電圧で供給されます。 しか […]
- キュービクル
2026.07.17
工場やオフィスビル、マンションなど、高圧電力を安全かつ効率的に供給するために重要な設備であるキュービクル。
そのキュービクルには、設置基準が定められています。
この記事では、キュービクルの設置基準だけではなく、設置場所による違いなど正しく設置するための基礎知識についてまとめていきます。
INDEX
キュービクルとは、高圧電力を効率的に受け入れ、必要に応じて低圧電力に変換する設備です。工場やオフィスビル、マンション、大規模な施設等で利用されており、正式名称を「キュービクル式高圧受電設備」といいます。また、「閉鎖型高圧受変電設備」と呼ばれることもあります。
キュービクルは、高圧電力(通常6,600V)を効率的に受け入れ、必要に応じて低圧電力(200Vまたは100V)に変換する設備です。主にオフィスや工場、大規模な施設で利用され、多くの電力を安定供給するために設置されます。キュービクルには以下の主要コンポーネントが含まれます。
・高圧受電盤:電力会社から供給される高圧電力を受ける機器
・トランス(変圧器):高圧電力を低圧に変換する装置
・低圧配電盤:変換された低圧電力を施設内に分配する機器
・保護装置:過電流や短絡から設備を守るためのブレーカーなど
また、受変電設備の役割は大きく3つあります。
・電力会社の配電網から電気を受け取る「受電」
・電気が使用できるように電圧を下げる「変電」
・変電後の電気を配る「配電」です。
それぞれの役割や仕組みについては、下記の記事にまとめておりますので、あわせてご覧ください。

キュービクルは一般家庭に設置されることはなく、主に契約電力が50kW以上の多くの電気を消費する施設で必要とされます。
具体的には、工場やオフィスビル、病院、学校、商業施設などが挙げられます。
これらの施設では、一般家庭向けの低圧電力では容量不足となるため、電力会社から高圧で電気の供給を受け、施設内に設置したキュービクルで低圧に変圧して使用する高圧受電契約を結ぶのが一般的です。
キュービクルを設置して高圧受電契約を結ぶことで、低圧受電に比べて電気料金の単価が割安になるという大きなメリットがあります。
大量の電力を消費する施設ほど、コスト削減の効果が顕著になります。
また、すべての機器が丈夫な金属製の箱に収められているため、人が誤って触れて感電するリスクが低く、安全性が高いことも特徴です。
さらに、機器がコンパクトにまとまっているため、省スペースで設置場所の制約を受けにくい点も挙げられます。
高圧受変電設備には、金属製の箱に収められた閉鎖型のキュービクル式のほかに、金属フレームに機器が露出した状態で設置される「開放型」があります。
開放型は目視での点検がしやすい反面、現地で一から組み立てる必要があるため工事期間が長くなりやすいという特徴があります。
一方でキュービクルは、工場であらかじめ組み立てられた状態で搬入されるため、工期が短く品質が安定しており、現在ではキュービクル式が主流となっています。
キュービクルは、高圧電力を受け入れているため、絶対的に安全である必要があります。そのため、安全にキュービクルを設置・管理するために設置者は消防法や建築基準法などの法令を遵守する必要があります。
安全の基準は消防庁告示第7号、8号の基準で制定され、日本電気協会がそれを認定しています。
認定キュービクルは、火災予防上支障がないと消防庁が認めた構造のキュービクルです。
認定キュービクルは大変厳しい条件をクリアする必要がありますが、消防検査が簡素化されるなどのメリットもあります。
参考:消防庁告示第7号 キュービクル式非常電源専用受電設備の基準
消防庁告示第8号 総合操作盤の設置方法を定める件
キュービクルの設置基準は、設置される場所によって異なります。
屋内にキュービクルを設置する場合の離隔距離は、操作をおこなう面が1.0m +保安上有効な距離以上、点検をおこなう面が0.6m以上、換気口を有する面は0.2m以上と定められています。
| 保有距離を確保する部分 | 保有距離(m) |
| 点検をおこなう面 | 0.6以上 |
| 操作をおこなう面 | 扉幅※+保安上有効な距離以上※2 |
| 換気口を有する面 | 0.2以上 |
※ 扉幅が1m未満の場合は1mとする
※2 保安上有効な距離とは、人の移動に支障をきたさない距離をいう
JEAC 8011-2014「高圧受電設備規程」
1130-3 屋内に設置するキュービクルの施設 より
屋外に設置する場合は、スペースのある場所に設定しましょう。
必ずしもフェンスなど金網等で区画する必要はありませんが、東京都火災予防条例(例)第11条において、非認定のキュービクルは建築物から3m以上の距離を保つことと定められています。万一、3mの距離を確保できない場合は、キュービクルの高さ以上の柵(不燃材でつくられたもの)を設置しなくてはいけません。
ただし、認定キュービクルの場合、離隔距離は建築物から3mではなく1m以上と緩和されています。
JEAC 8011-2014「高圧受電設備規程」
1130-4 屋外に設置するキュービクルの施設 より
特に屋外に設置されたキュービクルは、時折トラブルが発生することがあります。例えば、雨水の侵入や、動物の接触による短絡事故などが挙げられます。そこで屋外環境に応じた適切な設計をおこなう必要があります。
ゲタ基礎の両端を遮へいして直接の風雨侵入を防ぐ
底面に鋼板などを施設し、底面からの風雨侵入を防ぐ
排水口を設ける
開口部に網などを設ける
塩分を含む風を受ける場合には、屋内に設置するか、表面塗装を対塩害仕様にする
天井材に断熱材を充填する、盤内にスペースヒーターを設置などし、結露を防ぐ
また、キュービクルを設置する土台は、一般的にコンクリート基礎を使用しますが、屋上など重量制限がある場所や軟弱地盤などにおいては、H鋼基礎を使用することもあります。
キュービクルの設置や更新を検討する際、気になるのがその費用です。
機器本体の価格に加えて、設置工事費や電力会社への申請費用などが必要になります。
ここでは、施設の規模や電気容量に応じた設置費用の目安と、昨今の価格高騰を受けた対策について解説します。
新たにキュービクルを設置する場合の費用は、電気容量によって大きく異なります。
| 区分 | 容量の目安 | 費用目安(本体+工事費) | 主な用途 |
| 小規模 | 50KVA程度 | 300万円~500万円程度 | 小規模店舗、小ビルなど |
| 中規模 | 200KVA~300KVA程度 | 600万円~1,500万円程度 | 工場、ロードサイド店舗など |
| 大規模 | 500KVA以上 | 1,200万円を超えるケースも多い | オフィスビル、病院、大型施設など |
設置場所の条件や塩害対策などの特殊仕様が必要な場合は、さらに追加費用が発生します。
近年、原材料価格の高騰や変圧器のトップランナー基準(省エネ基準)の改定により、キュービクルの価格は上昇傾向にあります。
新品の納期が長期化するケースもあるため、代替案として中古キュービクルを検討する企業も増えています。
中古設備は新品に比べて本体価格を30〜50%程度抑えられる可能性があり、在庫があれば納期も短いのが魅力です。
ただし、導入の際は製造年や設備の整備状況をしっかりと確認し、信頼できる専門業者から購入することが重要になります。

キュービクルは長期間使用できる堅牢な設備ですが、永久に使い続けられるわけではありません。
安全かつ安定して電力を供給するためには、設備の耐用年数を正しく理解し、適切なタイミングで更新を計画することが不可欠です。
キュービクルの改修・更新については「キュービクルの改修・更新について」で詳しく紹介しています。
キュービクルの税法上の法定耐用年数は15年と定められていますが、これはあくまで減価償却費を計算するための会計上の目安です。
実際の使用可能年数(実用耐用年数)は、設置環境やメンテナンスの状況によって異なります。
特に、内部の機器によって寿命は異なりますので、注意が必要です。
そのため、部品ごとの計画的な交換やメンテナンスが必要です。
キュービクルの耐用年数については「キュービクルの耐用年数と更新時期の目安」で詳しく紹介しています。
耐用年数を超過した古いキュービクルを更新せずに使い続けると、予期せぬトラブルを引き起こすリスクが高まります。
経年劣化により絶縁性能が低下すると、漏電や短絡(ショート)が発生し、感電事故や火災の原因となる恐れがあります。
また、機器の突然の故障により施設全体が停電してしまうと、事業活動に深刻な影響を及ぼします。
重大な波及事故などを未然に防ぐためにも、設置から20年を目安に設備全体の更新を検討することが推奨されています。
キュービクルを安全に管理するためには、まず定められている設置基準を守ることが極めて重要です。これらの設置基準が定められている理由は、充分に点検できるような空間を確保するためです。
キュービクルの保安点検は、電気事故を未然に防ぐために定期的にキュービクル内部の動作や外観の異常を確認することです。毎月、もしくは隔月の点検と年次点検は法律で定められています。
また、キュービクルの保安点検をおこなう必要性について、こちらの記事でまとめておりますので、あわせてご覧ください。
もし点検を怠り、キュービクルで地絡や短絡などの事故が発生した場合、電力会社の配電線を通じて近隣施設に停電が広がる波及事故が起こることがあります。
株式会社エスコでは、波及事故・キュービクルの経年劣化による故障を未然に防ぎ、お客様に安心してキュービクルの設置をしていただけるよう、低価格かつ安心・安全な保安点検サービスをご提供いたします。
また、万が一にも事故が起きないよう、24時間の監視システムを導入しており、安心してキュービクルを設置いただけるよう万全な管理体制をご用意しております。

また、太陽光発電キュービクル保安点検にも対応しております。
※容量が50kW以上の大規模の太陽光発電は「高圧連系」に分類され、新たにキュービクルの設置が必要です
キュービクルに関することならどんなことでもお気軽にお問い合わせください。
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