2020.05.25

企業はどのように省エネに取り組んでいるの?

 

「省エネ」という言葉が当たり前になりはじめた日本では、法律により企業に対して規制がかけられ、制度への取り組みが強く推し進められています。省エネ対策はもはや、経営者の義務ともいえます。本記事では、企業が取り組める省エネ対策についてご紹介します。

こんな方におすすめです。
・企業の経営幹部の方
・施設担当で省エネ対策を任されている方

今回は、電気・空調・照明などへの取り組み方を解説していきます。

01.企業が省エネに取り組むようになった背景

省エネは1973年に発生したオイルショック以降に使われはじめた言葉です。1979年に「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」が施行されたことで「省エネ法」として広く認知されるようになりました。

省エネ法は次の措置を講ずることと、国民経済の健全な発展に寄与することを目的に施行・改正されています。

・工場等・輸送・建築物・機械器具などのエネルギーの合理化に向けた措置
・電気需要の平準化に関する措置
・その他エネルギー使用の合理化を進めるための措置

2018年の改正では、省エネ法の特定事業者に該当する企業が一定の要件を満たした省エネ設備を新たに取得して事業用に供した場合、取得価額の30%の特別償却、または7%の税額控除※を措置する制度も導入されました。

さらに、省エネ法では事業者クラス分け評価制度を導入。
提出が義務付けされている定期報告書をもとに、事業者は3段階で評価されます。

・Sクラス:優良事業者
・Aクラス:一般事業者
・Bクラス:停滞事業者

Sクラスに分類されると経済産業省のホームページで優良事業者として公表されます。しかし、Bクラスに分類された事業所は報告徴収・立入検査・工場等現地調査が行われ、省エネの判断基準遵守不十分と判断されると、Cクラス(要注意事業所)として指導対象になってしまうのです。

上記のように、税制優遇や事業所クラス分けによって、日本の企業は省エネに取り込むようになりました。

※税額控除は中小企業などのみ

02.企業の省エネの取り組み状況

この章では、企業の省エネ取り組み状況についてご紹介します。

どれくらいの企業が取り組んでいるのか?
では、日本商工会議所が2017年に発表した「中小企業における地球温暖化対策(省エネ対策等)の取り組みに関する調査結果」で見てみましょう。日本商工会議所では、次の中小企業を対象にアンケートを実施し、801社から回答を得ています。

項目 回答企業の属性
企業規模 資本金1,000万円以下、従業員20人以下の企業が約半数を占めた
業種 製造業や小売・サービス業の回答数が比較的多い
地域 人口分布と比べると、関東・関西以外の地方の回答数が多い
社内体制 省エネ担当者を置いている企業は約4割に留まった
温暖化対策に対する認知 2030年目標は約8割が認識しているが、「COOL CHOICE」は6割弱が「知らない」と回答

参照元:中小企業における地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組促進に向けて

日本商工会議所の調査結果では、801社のうちどのくらいの企業が取り組んでいるかということは発表されていません。しかし、次のような傾向が判明しました。

ある程度省エネ対策に取り組んでいる中小企業の傾向 まだ省エネ対策に取り組めていない中小企業の傾向
企業規模が大きい企業規模が小さい
温暖化への関心は高い温暖化への関心は低い
投資を伴わない・投資効果のわかりやすい取り組みはすでに実施済み投資を伴わない取り組みでも、実施率は低い
取り組み促進のため専門的支援を望んでいる実施に関しては費用面の課題がある

上記は2017年に発表された調査結果です。2018年には税制優遇などが法改正で決まっているので、規模が小さめの中小企業に関しても省エネ対策を実施する企業は増加していることが推測できます。

03.企業の省エネの取り組み内容

この章では、企業が実施できる省エネの取り組み内容をご紹介します。電気・空調・照明・省エネ診断にわけた対応を確認してみましょう。

03.1電気

電気全般に関する取り組みを見てみましょう。投資を伴わない取り組みは次の通りです。
・エレベータを使用せずできるだけ階段を使用する
・OA機器のスリープモード、省エネモードの活用
・生産ラインの適切な運用管理

一方、投資は必要ですが、省エネ効果のわかりやすい電気への取り組みは次の通りです。
太陽光発電(自家消費)の導入
電力の見える化装置の導入

電力の見える化装置とは使用している電力をシステムによって視覚化する装置です。非効率な電力消費を見つけ節電対策を行うことができます。

03.2空調

次は空調に関する取り組みをご紹介します。投資を伴わない、または投資費用を抑えた取り組みは次の通りです。
・リモコンの設定温度を季節に合わせて明記する
・作業場を間仕切り必要な場所にだけ空調を行う
・サーキュレーターで室内空気を動かす
・省エネモード、スケジュール運転など空調の自動制御機能の実施

投資は必要ですが、省エネ効果のわかりやすい空調への取り組みは次の通りです。
・高効率の空調設備の導入
・高機能換気設備の導入
・EMS、デマンドコントロールの導入
・散水装置の設置

古い空調機は経年劣化により効率が低下しておりますので、更新、もしくは各種制御装置を導入することにより省エネ効果を得ることができます。
また、換気扇などの一般換気から高機能換気(全熱交換機)へ更新することにより、省エネと感染症対策の両立が可能となります。

03.3照明

次は照明に関する取り組みをご紹介します。投資を伴わない、または投資費用を抑えた取り組みは次の通りです。
・空室・不在時のこまめな消灯
・電球の間引き

投資は必要ですが、省エネ効果のわかりやすい照明への取り組みは次の通りです。
・LED照明工事
・人感センサーの設置

LEDへ更新することにより、従来型の照明設備に比べて50~80%の削減につながるとされています。

03.4省エネ診断

専門家による省エネ診断により、事業所のエネルギーフローや、改善項目についてしっかりと確認をすることが可能となり、今後の対策をとりやすくすることができます。設備投資については、専門家の分析にょり補助金活用を得るためのアドバイスも可能となり、初期投資を軽減できる可能性も高まります。

03.5省エネ補助金

今年度に各省庁がどのような支援制度(省エネ補助金)を実施しているのか、一部を見てみましょう。

環境省
■令和2年度 民間建築物等における省CO2改修支援事業
この支援事業は、既存の民間建築物や地方公共団体所有施設の省CO2化をはかる事業に対して、省CO2性の高い設備機器などの導入を支援するものです。
既存の設備、システムに対して30%以上の省CO2が図れることが主な要件となります。

関連ページ:令和2年度 民間建築物等における省CO2改修支援事業の詳細

経済産業省
■令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業
この支援事業は、事業者が計画したエネルギー使用合理化の取り組みのなかで、省エネルギー性が高い設備投資に対して経費の一部を補助するものです。
事業所単位での申請は工事費を含めた費用について補助の対象となり、設備単位ではより簡易な申請で、設備の費用について補助の対象となります。

国土交通省
■令和2年度 既存建築物省エネ化推進事業(建築物の改修工事)
この支援事業は、民間が行う省エネ改修工事、省エネ改修工事と一緒に行うバリアフリー改修工事に対し、改修後の省エネ性能を表示することを要件として費用の一部を支援するものです。

関連ページ:令和2年度 既存建築物省エネ化推進事業の詳細

04.まとめ

本記事では、企業が取り組んでいる省エネ対策についてご紹介しました。現在は各企業に対して、省エネ対策を推進するよう規制が強まっています。また、各省庁や自治体は省エネ補助金を用意して、各企業の省エネ対策を支援しています。

省エネ対策は、電気・空調・照明に関して投資を伴わない方法で実行可能です。さらに、設備投資や工事を行うと、大幅な削減効果が見込めます。投資が発生する対策や省エネ補助金の活用については専門知識が必要なため、エスコにご相談ください。

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